テクニカルダイビングとは?
テクニカルダイビングと言ったときに、明確にその定義やレクリエーショナルダイビングとの違いがわかりますか?
テクニカルダイビングとレクリエーショナルダイビングの定義については、各指導団体でそれぞれに対する呼び方の違いがありますが、分け方の基準については同様です。
それぞれに対する考え方は同じなのですが、各団体で呼び方が異なり、別のダイビング区分に対して同じ名称をつけていたりするのでよく講習生の方から質問を頂きます。
PADIの定義と名称に従うと(DIVE Explorersではその呼び方をしています。)、
テクニカルダイビングとは。
1.直接水面に浮上できない
2.遊びのダイビング
のことです。
逆にレクリエーショナルダイビングとは、
1.直接水面に浮上できる
2.遊びのダイビング
です。
すなわちテクニカルダイビングも、いわゆるファンダイビング(レジャーダイビング、遊びのダイビング)の一つです。
ファンダイビングという大きいくくりの中に、レクリエーショナルダイビングとテクニカルダイビングとがあるわけです。
呼び方は違っても、基本的にはどの団体でもこの二つに大きく分かれており、その定義も変わりません。
ちなみにファンダイビングとは別のものとして、コマーシャルダイビング(商業潜水、作業潜水)やエクスプロアダイビング(探検)などがあります。
- ファンダイビング
- レクリエーショナルダイビング
- テクニカルダイビング
- コマーシャルダイビング
- エクスプロアダイビング
なお、DIVE Explorersではここまで言葉の定義についてこだわるのかという点については下記をご覧ください。
テクニカルダイビングで言葉の定義が大切な理由
「直接水面に浮上できる」とは?
では、定義にあった“直接水面に浮上できる”とはどういうことを言っているのでしょうか。
すなわち、「何かトラブルがあったときにその場から直浮上できる」ということを言っています。
逆に言うと、その場から直浮上できない遊びのダイビングは全てテクニカルダイビングということです。
トラブルがあったときに直浮上ができないということは、
・そのトラブルに水中で対応する
・あるいはそのトラブルを抱えたまま移動する
ことが必要になるので、そのための準備もしないといけないわけです。
だからテクニカルダイビングでは色々なバックアップ器材を持っていくわけですね。
なお、「直浮上」の定義は(PADIでは)、その場から1分当たり18メートル以下のスピードで浮上することです。
水面まで全力で泳いで上がることは直浮上とは言いません。
直浮上ができないのはどのような場合か
直浮上ができない原因は大きく分けて二つです。
- 閉鎖環境(オーバーヘッド):洞窟や沈没船の中など、物理的に天井がある
- 仮想閉鎖環境(ソフトオーバーヘッド):減圧が必要で、一定の深度以上にはすぐに上がれない
レクリエーショナルダイビングにおいて減圧を出してはいけない(NDL内で潜りましょう)と言われるのは、減圧がでるとこの仮想閉鎖環境になってしまう(無視して浮上すると減圧症になるリスクが高い)からですね。
各ダイビング団体における定義について
最後に、各団体におけるレクリエーショナルダイビングとテクニカルダイビングの定義についてまとめました。
「レクリエーショナルダイビング」といったときに違うものを各団体が指しているので混乱しやすいですが、きちんと把握しておきましょう。
PADI
- ファンダイビング(レジャーダイビング)
- レクリエーショナルダイビング
- テクニカルダイビング
SDI/TDI/ERDI
- レクリエーショナルダイビング
- スポーツダイビング
- テクニカルダイビング